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ストレスと上手に付き合えれば成長のチャンス到来?

ストレスを感じることなく生きていけたらどんなに幸せだろう?

と思っていた時期もありますが、ストレスとは場合によっては人を成長させる可能性があるものでもあることが分かってからは、むしろ、ストレスが全く無い状態の方がツライのではないかと思いました。

 

ちょっと専門的なお話しになりますが、ストレスは脳のHPA系というシステムが深く関わっています。Hは視床下部(hypothalamus)、Pは下垂体(pituitary)、Aは副腎系(adrenal glands)を指します。

 

このHPA系は全ての脊椎動物が持っているシステムなのですが、Hが何かしらか危険を察知すると、PがAにコルチゾールを分泌しろ!と命令します。コルチゾールが分泌されると心拍数が上がります。心臓がドキドキして体温も上がり、汗が出て来たりします。正に、ストレス状態です!

 

こんなシステムがなぜ備わっているのかと言いますと、今、人間が目の前にしている世界より、人間を含めた生き物を取り巻く世界がより危険であったからでしょう。

 

その世界の中では、外的を察した瞬間に体中に血液を巡らし筋肉を稼働させ、「闘うか?逃げるか?」を瞬時に判断して、行動に出ないといけないからです。

 

ある生物学者が言っていた言葉が面白かったので紹介します。

「動物にとってのストレスは恐怖の3分間だった。その3分間が過ぎれば、自分が死んでいるか敵が死んでいるか、だからだ。しかし、現代の人間はそれと同じストレスを30年ローンで組むのだ。」

私も35年ローンを組んでいるので、この言葉を読んだ時には、とんでもないストレスと付き合っているのだな。。。と冷や汗をかきながら笑ってしまいました。

 

生きるか死ぬかの太古の世界の中で作られた脳のシステムは、現代社会の仕事の締め切りや住宅ローン、試験やプレゼンなど、恐怖や不安に晒された時に、同じように作動します。つまり、心臓がドキドキして、汗が噴き出すなどの体への変化を促します。

 

また、目の前の恐怖に対して「闘うか?逃げるか?」の瞬時の判断をするということは、他のことを後回しにするということでもあります。

 

例えば、睡眠、消化、繁殖行為などが後回しにされます。よって、ストレス状態では、眠れなくなったり、食欲が無くなったり、性欲が減退します。

 

やっぱりストレスってよくないですね。。と思ったかもしれませんが、ちょっと視点を変えて考えてみてもらいたいと思います。

 

長期間のストレス状態は間違いなくよくないのですが、短期的なストレスは集中力を高め、思考機能を鋭くします。HPA系が正しく機能している程度のストレスであれば、全く問題ないのです。

 

HPA系が長期にわたり激しく作動し続け故障すると、無気力になり、何もやる気も起きず、激しい疲労感で起き上がることもできないというようなことに繋がっていきます。

 

よって、短期的なストレスを感じる環境を小まめに作り、長期的なストレスに晒されないようにするのが、成長の鍵となりそうな気がします。

 

マネージャーは部下やチームのストレスのかかり具合をよく見ながら、緩急を見定めた仕事の割り振りをするといいかもしれませんね!自身のマネージメントも同様ですね。